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そば屋の出前




このくらいの短さだとことわざじゃなくて慣用句に分類した方が適切かもしれない。ことわざと慣用句の切れ目も定義するのは難しく、同じような形式でも「河童の川流れ」「怪我の功名」「医者の不養生」などは普通ことわざと呼ばれることが多いだろう。「漁夫の利」「後の祭り」「犬猿の仲」「独活の大木」「背水の陣」あたりは慣用句に分類する人もいるかもしれない。「元の木阿弥」「弁慶の泣き所」「猫の額」なんかはどうだろうか。慣用句と判断する人の方が多い気がする。

仕出しを前もって頼んでいたのに約束の時間に来ないから直接店を訪ねたらすれ違いで今出たと言われた、という状況は江戸時代でもありそうな話だが、普通に考えれば「そば屋の出前」の言葉の誕生は電話による出前が一般化したより後だろう。電話口での説明が本当かどうか確かめる術は無いが、結局「今出たところ」にしては遅すぎる時間に届くというのがありがちなパターンである。

そば屋の出前を本当に利用したことのある人はもうあまり多くないかもしれないし、今や宅配ピザの現在地がGPSでリアルタイムに分かる時代である。実感を伴わなくなった「ことわざ」が今後も生き残れるかは注目だ。
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